この記念館は、幼少年期を洲本で育った南画の大家直原玉青画伯から画伯の作品とそのコレクションの寄贈を受けてつくられました。
禅宗黄檗宗の僧でもあり、また、俳人でもある画伯のコレクションには、南画関係資料のほか、禅の高僧や俳人子規、虚子、井泉水の書跡など貴重な資料が集められていて多彩です。
直原玉青
淡路島が誇る現代南画の巨匠
[ Jikihara Gyokusei ]
淡路島が誇る南画界の巨匠直原玉青画伯は幼少年時代を洲本で過ごされ、 16歳の時に大阪へ出て画家を志し、冨田渓仙や矢野橋村等の指導を受け、帝展や日展に度々入選されました。昭和35年(1960)に社団法人日本南画院の創立に参加され、平成3年(1991)から平成17年9月30日に亡くなられるまで、日本南画院会長として日本の南画界を主導されました。
少年時代から俳句に親しみ、17歳の時に青木月斗主宰の俳誌『同人』で特選に選ばれました。戦後には、高浜虚子や山口誓子等のホトトギス派の俳人と交わり、俳誌『ホトトギス』同人として多くの俳句を詠まれました。
また臨済宗南禅寺管長の柴山全慶師との出会いが画伯を禅の道へと導き、僧籍を得るとともに、昭和55年(1980)には禅僧として南あわじ市の黄槃宗国清禅寺を復興されました。
南画家として、俳人として、そして僧侶として、物された画伯の作品は、まさに「句画禅一如」の世界をこの世に現わしたものであり、画伯自身が目指したものでもありました。
昭和55年(1980)の2月には、画伯は所蔵の作品やコレクションの多数を洲本市へ寄贈され、それがきっかけとなって昭和57年(1982)7月15日に洲本市立淡路文化史料館(以後史料館)が開館しました。
史料館ではこれまでに画伯に関する展覧会を何度も開催し、多くの方々の心を魅了してまいりました。
この直原玉青記念美術館ではこれまでに画伯から寄贈されました多くの作品を初め数々のコレクションを順次公開しております。
皆様方には、直原玉青画伯の南画の世界を心ゆくまでご堪能頂きたいと存じます。
海門渦潮
少年の頃
大浜海岸を手をひかれて歩く直原画伯の幼い頃の思い出を描いたものです。
明兆
室町時代の画僧で洲本で生まれました。雪舟とともに日本水墨画の祖と称せられています。
この大作は直原画伯が描いた淡路三偉人像の一つです。
幽霊
高浜虚子自筆の幽霊の句讃で虚子の絵としては最も初期のものです。
大正6年6月、毎月行っていた俳句の論講の席上、自分の俳句を酷評されたことに気を悪くし、酒を飲んだ揚句に描いたもので非常にめずらしいものです。
南あわじ市滝川記念美術館 玉青館
日本南画界の第一人者、直原玉青(じきはらぎょくせい)画伯の絵画をコレクションする現代南画の美術館が南あわじ市にございます。ぜひ足をのばし南画の世界をごらんください。
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